人にやさしく

仕事からの帰り道・・・

私が歩いている少し先の方で「ドサッ」っと重たいものが落ちるような鈍い音がした。
目を凝らしてよく見ると、おじさんが座り込んでいる・・・。

あわてて駆け寄ると、「神経が麻痺しててね」っといいながらも一生懸命立ち上がろうとしている。
「足ですか？大丈夫ですか？」っと聞くと、「全身なんだよねぇ・・・ちょっと気を抜いたら座り込んじゃったんだよ。」っという。
歩いて帰るということなので、とりあえず立ち上がらないと歩いてはいけない。

こういうとき、私ひとりが大柄な男性を持ち上げられるかどうかなんて、考えている暇はなかった
とりあえず、私しかいないじゃないか！
背中から脇の辺りを支えて「せーの！」っと自分で掛け声をかけて、２度目でなんとか立ち上がることができた。
落としてしまっていた荷物を渡すと、おじさんはそのまま「ありがとう」っと何度も言いながら帰っていった。

ふぅ～っと一息ついて、自分の荷物を持ち上げた目線の先に、
若い兄ちゃんが、自転車に乗りながらではあったが、こちらをずっと心配そうに見ていてくれたようだ。
そして、兄ちゃんがペコっと会釈して、自転車で立ち去った。

なんだか、そのさりげない優しさがすごく嬉しかった。

THE BLUE HEARTSの「人にやさしく」が好きだ。

今日は無性にこの曲が聞きたくなった。